兵庫県木材業協同組合連合会
1.実施概要
ア.実施団体の説明
- 設立年月日: 昭和33年9月8日(設立登記)
- 会 員 数:18組合(地域別協同組合:11組合、業種別協同組合:7組合)
- 賛助会員: 5団体
- 組合員数: 336名(地域別組合員数計)
- 令和6年度予算額: 117,064千円
- 事業内容:
- 会員相互間の連絡・組合活動の調整
- 経営技術の改善・知識の普及
- 事務代行・情報の提供
- 団体契約の締結・JAS検査事業の実施
- 国・県委託・補助事業の実施
イ.事業の目的
- 今後、建築基準法4号特例の縮小、非住宅木造建築の増加等により機械等級区分構造用製材のJAS認証材の需要が増加する。
- 一方、県内人工林の大径化が進んでいることを踏まえ、既存小規模JAS認証工場(7工場)が連携、中心となり“スギ大径材の価値を高める新たな木取り”(下図参照)による「JAS製材のサプラチェーン」を構築し、県全体のJAS製品の供給体制の強化を図る。
- また、新たな木取り「上下心去り平角材」を梁、桁に使用する場合、仕口の弱点を解決するため、兵庫県が開発した「高強度梁仕口TAPOS仕口」の普及啓発を図る。
※高強度梁仕口「TAPOS仕口」を非住宅物件等(構造計算が必要な物件)に採用する場合、建築確認申請時に第三者機関の耐力試験データ(第三者機関によるエビデンス)が必要
(参考)大径材の価値を高める木取りの提案


ウ.事業内容・結果
(1)実行委員会の開催
- スギ大径材の新たな木取りの提案内容検討、機械等級構造用製材JAS認証申請の支援等
- 研修会、工場見学等のスケジュール、内容等の調整
(2)研修会の開催
- 工務店、設計事務所、市町の建築担当、製材工場等を対象
- 内容:「改正建築基準法等の施行について」「JAS制度の概要と県内のJAS製品供給体制について」「スギ大径材の価値を高める新たな木取りの提案について」

(3) 工場見学
- 工務店、設計事務所、市町の建築担当、製材工場等を対象
- 11月15日、12月13日の2回実施

(4) ひょうご木材フェア出展(3ブース出展)
- 神戸市中央区のハーバーランド煉瓦倉庫通りで実施
- 約25,000人来場

(5)モクコレ出展
- 3ブース出展(当該事業対象2ブース)

(6)TAPOS仕口の第三者機関による耐力試験
- 兵庫県立農林水産技術総合センター森林林業技術センターが開発した高強度梁仕口「TAPOS仕口」は、梁-梁仕口の形状を工夫することで、仕口強度を飛躍的に高める技術である

在来仕口に比べTAPOS仕口では受梁の底面部が割裂しにくい
- 木造軸組工法住宅の梁・桁において、梁-梁仕口形状を従来のU字形からV字形に変更し、せん断耐力を向上させる技術であり、平成30年度特許を取得している
- 本来、「横架材端接合部」の「せん断耐力」を評価する目的の試験であったが、予備試験体、本試験体ともに、横架材端接合部では破壊せず、加圧梁が曲げ破壊する結果となった。

- 今回、加圧梁が曲げ破壊した原因は、加圧板がL=500mm(兵庫県立森林林業技術センターはL=700mm)であったことが影響したものと考えられる。
※加圧版l=500mmは、金物仕口の試験仕様として決められている基準で、木―木仕口のせん断耐力を計測する際の長さの規定はない。 - 今後は、試験仕様の検討も必要
(7)普及啓発資料の作成
- 「スギ大径材の価値を高める新たな木取りの提案」による普及用サンプル、普及用パネル、普及用パンフレットの作成
- 上記普及啓発資材を活用し兵庫県林業会館での常設展示、各種イベント、研修会で普及啓発

(8)既存冊子の改訂
- 兵庫県内のJAS認証工場を記載
- 各工場の生産可能な規格、生産量を明記し、県内のJAS製品の供給体制を記載
(9)報告書作成
- 最終貢に報告書の概要を添付
2.事業実施により得られた効果
- 「スギ大径材の新たな木取りの提案」による上下心去り平角、柾目板CLTを利用した一般住宅、非住宅物件(こども園)のモデル物件の建築

- 機械等級区分構造用製材JAS認証について1社が申請中
- JAS製材ローカル・サプライチェーン(宍粟地域)の構築(=Part1)
- 非住宅木造建築の実施設計を行う事業者、都市部市町の建築担当者に、県内のJAS製品等の供給体制、一般流通材による実施事例の説明による普及効果
3.今後の課題と次年度以降の計画
- JAS製材ローカル・サプライチェーン(宍粟地域)によるJAS製材の周辺地域への利用拡大
- JAS製材ローカル・サプライ・サプライチェーンPart2(丹波地域を想定)の構築
- TAPOS仕口の第三者機関による耐力試験について、建築関係の有識者を含めた委員会を設置し、試験仕様(加圧版の長さ等細やかな試験条件)を事前に諮ったうえで、現在使用している試算式(加圧梁と受け梁の相互関係から仕口の設計せん断力を求める式)の検証を行い、設計者が誰でも使える「TAPOS仕口耐力評価表」の作成を目指す。